6年目の転機〜アプリ開発者としての再スタートと終わりなき無謀な挑戦〜
5年間という年月をつぎ込んだ個人アプリ開発も、なかなか実を結ばず、とうとう今年のはじめ、個人として限界を感じ引退を決意しました。あれからもうすぐ1年が過ぎようとしています。そんな僕は、今年の春に日本を離れ、何か新しい事をはじめようとカナダという新天地へ足を踏み入れました。振り返ると環境の変化、様々な出会いから多くの刺激を得られた実りある年だったと思います。
その反面で、アプリ開発に替わる『何か』を探し求めて、色々な事にチャンレンジはしてみたものの、結局のところ、アプリ開発のような情熱を注げるものに巡り逢う事はできませんでした。
しかしそれは、カナダまで足を運んだにも関わらず、何1つ新しい発見や進展がなかったという事ではありません。結論から言えば、自分にはまだアプリ開発者としてやらなければいけない事が残っている、と再確認できたということです。
ただ “個人開発者” として、やれる事をやり尽くしたのは間違いないと感じているし、十分な結果を出す事が出来なかったという事実は認めていて、これまでと同じ方法で再チャレンジしようとしても、以前の二の舞になる事は目に見えています。
これまでの自分を振り返ると、ある程度の事なら自分1人でもこなせるし、1人の方が人間関係のトラブルも回避できて気が楽であり、また、ただでさえ成功するのが難しい世界で利益を分配してまでチームを組む事は現実的とは思えないといった、スケールの小さい思考だったと認めざるを得ません。
本来ならばもっと素晴らしいアプリになっていたであろうアイディアの多くは、個人レベルの域を越える事ができなかっただけではなく、知らず知らずのうちに、自分の中で目指していたビジョンがどんどん小さく、狭く、浅くなっていた事にもさえも気づけなかったのです。
北米に足を踏み入れて自分が受けた一番多きな刺激は、そのスケール感の大きさです。
大陸の大きさによる影響が大きいのか…奇抜な発想や大胆さ、思考のスケール感など、日本とはどうしても大きな差があるとしか言いようがありませんでした。
幼少期から20代前半までハワイで暮らし、その後8年を日本で過ごした僕はこれまで『島』というコンパクトな空間で30年余りを過ごしてきたのですが、どうもその影響は自分が思っていた以上に大きなものだったんだなと初めて気づかされました。
インターネットの普及によって世界中の情報をどこからでも入手できるようになった昨今、もはや仕事をする場所はそれほど重要じゃないと考えていましたが、今ではそれすらも少し違うなと感じています。
確かに、どこでも仕事ができるという点は間違っていないし、逆に強みだとさえ感じていますが、どんな環境に自分の身を置くか…場所によって受ける刺激の量・質は違うのだと感じました。
どこでどんな人に出会うか、またどんな刺激を受けるかによって生み出される閃きや発想、その結果生まれるモノには確実に違いが出てしまう…そう感じています。
少なくともクリエイティブな仕事をする上では、必ずしも「どこでもOK」というよう事は無く、更に言えば同じ場所に長期的にとどまっている事も危ういんじゃないかとも考えるようになりました。
カナダに来て “たった半年” しか経っていないにも関わらず、その僅かな時間で受けた刺激は少なくとも日本にとどまっていては絶対に得られなかったものです。そして、カナダに来た事で新たな道が開けたという事も紛れもない事実です。
僕は今、新天地カナダ・モントリオールでアプリ開発者として再スタートを切ろうと試みています。今度は「個人」ではなく「法人」として、「自分」のためではなく「多くの人々」に喜んでもらえる製品を生み出す為にー。
笑われるかもしれませんが、世界を変えられるくらいドデカイものを作ってやろうという意気込みで挑んでいます。
それだけ大きな事を成し遂げようとする為には、どうしてもまとまったお金が必要になるのですが、現在、カナダのベンチャーキャピタルから資金調達する方向で計画を進めているところです。
幸いにも、起業やベンチャーキャピタルなどといったものとは無縁だった僕のアドバイザーとして、いくつものスタートアップを成功させた実績のある起業家の叔父がサポートしてくれる事になり、少し希望が見えている状況です。
とはいえ、起業経験ゼロの僕には今後どのような展開になるかまったく予想もつきません。自分の持っているアイディアやこれまで積み上げてきた実績がどのように評価されるか、少しでも資金を出資してもらう事ができるのか、完全に未知の領域です。
まだこの先どうなるかは分かりませんが、カナダへ来ても相変わらず無謀な事ばかりやっています。
何事もチャレンジしてみないからには始まらないという事、そして失敗してもそこから学べる事や新たな発見が待っている事だけは疑いようがありません。きっとこの先も、色々と失敗を重ねて成長していくのだろうと思っています。
実は今日は2008年にアプリ開発をはじめる事を決意した日から6年目になります。
どうやら、6年前の僕の無謀な挑戦は今もまだ続いているようです。
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