動画広告の収益性は?〜AdColonyとAppVadorを導入してみた感想〜

2/24/2014 Leo Rivas(リオ・リーバス) 0 Comments

近頃、日本でも動画広告が注目されはじめています。動画広告を提供するアドネットワークもぼちぼち出始めているようで、これからどんどん増えていく事は間違いないでしょう。
FusionCalc2には二つの動画広告を導入しています。一つはご存知の方も多いと思いますが、「動画広告を一回みるごとにバナー広告を3分消せる」という形で海外の「AdColony」というアドネットワークを使用しています。

詳しくは:

もう一つは前回のアップデートで導入したばかりの「AppVador」という広告で、こちらは画面上部のバナー広告の中で動画が流れるといった形です。ちょこちょこ動く広告も増えてきているので、こちらは広告によっては普通のバナー広告との識別が難しいかもしれません。

これら動画広告を導入して実際どれだけの効果があったのか?興味を持っている開発者の方もいるかもしれませんので、ざっくりそれぞれの特徴と収益性について書こうと思います。
【AdColony】
まずはAdColonyです。こっちは導入から3ヶ月経つのでそれなりのデータが揃っていて参考になるかもです。
AdColonyはリワード広告のようなタイプの動画広告で、動画を見てもらう変わりに何らかのご褒美をユーザーに与えるという所が特徴です。ゲームであれば、動画を見てもらう代わりにコインやポイントを与えたり、ゲームオーバーになった時に動画を見ればコンティニューさせてあげたり、などと言った使い方ができます。ユーザーは課金と同等のサービスを無料で得る事が出来るようになり、非課金ユーザーにとってはありがたいシステムだと思います。
FusionCalc2では、一回広告を観るたびに、計算画面のバナー広告を3分間「非表示」にできる時間を獲得できるようにしています。

では動画広告を一回観てもらうと一体いくら貰えるのかというと、これはビックリするほど低く、たったの「1円」です。バナー広告であれば一回のクリックで10円前後の収益になるので、15〜30秒もの動画を観てもらう割に1/10の収益しか貰えません。ただし、バナー広告のクリック率はFusionCalc2の場合は平均0.3%とかなり低く、1000回の表示に1回しかクリックされていないという計算になります。つまり一回の表示に対して実質0.01円しか生み出していないという事です。動画広告は一回の表示で1円もらってバナー広告を3分間消していますが、バナー広告は30秒に一回表示が切り替わるので、3分だと6回分の表示(0.06円分)との交換という事になります。なので計算上では1円の方がお得という事です。まあ、単純に計算だけでどっちの方が収益率が高いかというのは割り出せるものではないので、あくまで目安としての計算です。

ちなみにこの動画広告ですが、少ない時は一日70回ほど、多い日で100回くらいの再生回数です。一日に70〜100円くらいにしかなっていなので、収益的には微々たるものです。無料版を使っているユーザーはそこまでバナーを消す必要性を感じている人が少ないからか、このシステムの存在自体に気付いていないユーザーもいるかもしれません。30秒も動画を観る割に3分しか広告を消せないのが割に合わないと感じるユーザーも多いかもしれません。このへんの調整は収益に大きく関わってしまうのでなかなか難しいところですが、ユーザーにも納得してもらえる上手いバランス地点を微調整しながら見つけなければいけないかもしれません。

この動画広告のシステムを導入した時はFusionCalc2のレビューも相当荒れて、かなり多くの星1を付けられるという事もあって、それなりのリスクが付き物だと思います。その時はまだ有料版を出していなかった事もあったかもしれません。有料版を出してからは動画広告について悪く書くユーザーは減ったので、広告が嫌いなユーザーはとにかくお金を払ってでも完全に消したい人が多く、広告が気にならないユーザーは動画を観てまで消したいとは思わない、とほぼ両極端に別れるといった印象を受けました。一応、毎日それなりに再生はされているので、受け入れてくれたユーザーも少しはいるみたいですね。


【AppVador】
こちらは日本の会社が作った新しい動画広告です。特徴としては、大きさは普通のバナー広告(またはアイコン広告)なのですが、その小さな枠の中で動画を流すというものです。バナー、またはアイコンをクリックすると、拡大して観れるようになります。バナーサイズという事もあって、ユーザーにとってはフルスクリーンで観なければいけない動画よりも受け入れやすいかもしれません。
さらにAppVadorの素晴らしいところは、表示回数に対して収益が発生するので、クリックされなくてもいいという事です。広告のクリック率が0.3%のFusionCalc2にとっては、ただ画面上部に表示するだけで収益に繋がるのはメリットが大きいです。現在、AppVadorはバナー・アイコンサイズだと1000回の表示につき110円〜137.5円もらえるそうです(フル画面だと220〜275円)。ざっと平均120円と考えると、一回の表示で0.12円の計算になります。普通のバナー広告が一回表示で大体0.01円の計算なので、AppVadorがフル稼働すれば収益が12倍くらい増えるという事になります。
ただ、現実はそう甘くありません。やはりまだ立ち上げたばかりのアドネットワークですし、動画広告もまだ新しいものなので、常に動画を表示し続けるだけの在庫が揃っていないようです。FusionCalc2にAppVadorを組み込んだアップデートがリリースされて6日経ちますが、リリース直前にちょうど在庫が切れてしまったようで、昨日までに表示された回数は『ゼロ』でした。本日より新しい案件が数件はじまったらしく、3月の案件も確定しているそうなので、しばらくは安定するかもしれません。(ちなみに今日だけのデータですが、現在、516回の表示に対して113円の収益で、eCPMは219円と結構高めです。)
まだ導入して日が浅いのでAppVadorに関しては、良いとも悪いとも言いづらい段階ですが、将来性を見込んでいち早く取り入れてみました。動画の在庫が無い時は、従来のバナー広告にすぐ切り替わるようにしてあるので、特に損する事もありませんし、しばらく様子を見てみようと思います。
追記:AppVadorは結局昨日(2月24日)は2784回表示されて612円の収益になりました。eCPMは大体220円の計算です。バナーサイズがeCPM110円でフルサイズが220円という認識でしたが、少なくとも今はバナーでもeCPM220円もらえているようです。ただし、また在庫が切れたのか現在は配信停止している模様。単純に今は夜間限定配信って可能性もあるかもしれません。お知らせのメールでは今日からまた新たな案件がはじまるとの事なので、在庫確保は頑張っている印象です。この調子で頑張って欲しいですね。



あくまでも限られたデータを元にした感想ですが、動画広告は現状ではまだ決して収益性が高いとは言いにくいかもしれません。ただ、動画広告はこれからどんどん普及していくと思いますし、普及するにつれてもっと収益性が高くなるのではないかと思います。
今後に注目ですね!

0 コメント: