妻との出会い【その3】~花火大会の夜のトリプルクロスカウンター!~
小さい頃、母親に、「父と母、どちらからプロポーズしたの?」と聞くと、母は父にはもう愛想が尽きて、イギリスから日本まで逃げてきたにも関わらず、無一文でしつこく日本まで追いかけてきたから可哀想になって結婚したのだと言う話を聞かされた。父に同じ質問をすると、自分にベタ惚れしていた母に強制的に日本に連れてこられたと、まったく正反対の話を聞かされる。
それぞれの見方、感じ方、考えていた事も違えば、時間が経つにつれ、記憶も曖昧になってきたり、自分の都合の良いように記憶が補正されたりして、それぞれの物語が出来上がっていくのだろう。
だから僕らの出会いの話にも、食い違いや矛盾があってもおかしくないのだ。
この話も、妻と僕と二人の視点から書かれたストーリーを両方読んで頂きたい。
妻の視点 >> 夫との出会い Part3 ~肩透かしの神宮花火大会~
2006年8月16日、それは神宮花火大会があった日だ。
この花火大会は犬の散歩以外で彼女と会う事の出来る最高のチャンスではないかと思った!ラッキーな事に、父の住んでいたマンションの屋上からは花火が見えたのだ。これはどう考えても誘うしかないだろうと考えた。
しかし悲劇が起こった・・・。
「今日は花火大会だね」
そんなメールが彼女から届いた。もうこれはあっちから誘ってくれと言っているようなものである。ここは一発ジャブを入れて相手の出方を見てみよう。
「実はうちのマンションの屋上から花火が見れるんだよ!」
そう自信満々にメールを返したわけだ。
すると、
「実は私のマンションのベランダからも見れるんだ~♪」
ガ━━━━━━━━(゚Д゚;)━━━━━━━━ン!
まさかのクロスカウンターが炸裂した!
この時点で相当なダメージを負ったものの、かろうじて立ち上がる事ができた。
ここで倒れてはいけないっ!!まだかすかな希望はある!
クロスカウンターをはじいてダブルクロスカウンターでKOだ!
「す、住んでるのってどこらへんなのかな・・・?」
なんとかウチよりも花火から遠い場所である事を願い、最後の勝負にでた!
「神宮前1丁目の交差点前だよ♪」
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!!
めっちゃ近いし~!!!
このトリプルクロスカウンターで僕は一発KOを食らった。
この予想外の展開には力石徹もびっくりである。
ウチは見えるとは言ってもそこまで近くはない...。完敗だった...orz
しかも相手は部屋から一歩も出なくてもベランダから見えるというのに、
わざわざもっと遠くまで来させて「ショボイ花火を一緒に見ましょう」などと言えるはずもない。
かと言って「では、そちらのお部屋にお邪魔させてください♪」などとも言えるわけがない・・・。完璧にチェックメイトです(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
もしも誘って欲しいアピールであれば、仮に部屋から見えたとしても、そんな情報は逆効果と考えて秘密にするはずだろうと考えるのが普通だ。これはもう完全にこちらの手を封じる為の策略である。
そんなメールのやり取りの末、僕は完全に戦意を失っていた。
「そ、それじゃあお互い花火大会楽しもうね~(T_T)/」
かくして僕のハートは夜空に舞い散る花火の灰とともに真っ白に燃え尽きたのだった・・・。
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