【リオのお絵描き教室】第1回:使っている道具&ソフトと、下書きから塗りまでのプロセスを全て公開!
LeoRivasBlog(リオ・リーバス ブログ)の方でスタートした新企画の紹介です。第一回目はスタジオルーペのブログの方にも載せる事にしましたが、次回からはLeoRivasBlogのみで更新していく予定なので、読んで興味を持って頂けたら今後はそちらの方でのご購読をお願いします。
【クリックで拡大】
正直、人に絵を教えられるような技術者でも無ければ、プロでもありませんので、そんな多くの為になる事を書ける自信はありませんが、上級者向けではなく、わりと軽い感じの趣味のような感覚で絵を学びたいと思う人向けにイラスト講座のようなものをスタートしてみたいと思いました。これはどちらか僕が自分のために絵を描く機会を増やす為のコーナーに近いかもしれません(^^;; アプリ開発にのめり込み過ぎて、ここ数年、本気で絵に取り組む機会が減ってきていて、正直マズイと感じていたからです。僕は元々「絵」が描きたくて、自分の絵を公開する切っ掛けの一つとしてiPhone開発をはじめたのですが、実際は絵を使ったアプリなんて4本くらいしか公開していませんし、そのうちの2本はiPhone開発前に描いた絵本をそのままアプリ化しただけですから、実際はホントに少ないです。僕が絵を描くという事そのものを知らない人の方が多いのではないでしょうか。ここで宣言しておきますが、僕はデザイナーではありません!じっさいデザインとかそこまで好きじゃありません(笑)当然、デザインをしていて楽しい時も多いのですが、ボタンとかアイコンとか細かいUIをチマチマ作る作業は苦痛以外のなにものでもありません!なので僕の最終目標は今までもこれからも絵で食べていけるようになる事です!それならばもっと絵を描かないとって話ですよね。だからこそもっと絵を描く時間を増やし、それを公開していく機会を増やそう!というのが今回のメインテーマです。
完全に自分の為に作ったコーナーですが、もしかしたらそこから誰かがちょっとした事でも学べたらいいな、という気持ちもありますよ♪
とにかく前置きが長いのでスタートしましょう!
タイトルの通り、第一回目は「使っている道具&ソフト、下書きから塗りまでのプロセス」についてです。
どちらか基本中の基本の話で、既にデジタルで絵を描いている人にはまったく役に立たない話ばかりでしょう!ざっくり絵だけ見ながら飛ばしてくれちゃっても構いません!
まず今回の絵はのテーマは「スイカ」です!やっぱり夏と言えばスイカが食べたくなりますね~。僕も昨日、今年はじめてのスイカを食べました!娘が保育園で主食を残すのにデザートのスイカだけは毎回残さず食べているという話を保育士さんから聞いて、これは買いに行かねば!と思い立ったのが今回の絵のイメージが膨らんだ切っ掛けです。(ちなみに娘はスイカはほとんど食べてくれなかった...orz)
絵を描く時に大事なのは、まず「何を描くか」を決める事ですよね。漠然とでもテーマがあれば描きながら色々と「こうしよう、ああしよう」と膨らみはじめるのでしょうが、最初に書き出す切っ掛けが無いとなかなか手が動きません。なので描きたい!っと思えるテーマが見つからないのであれば、とりあえず夏なので「スイカ」をテーマに何か考えてみるのも良いのではないでしょうか?
【絵はどんな道具を使って描いているか】
この絵はWacomのBamboo Pen&TouchというペンタブレットのSサイズを使って描きました。同じくWacomのCintiQという液晶タブレットも持っていますが、最近はまったく使っていません。紙に描くように直接画面の上にペンを走らせる事が出来る分、直感的に描けるというメリットは大きいのですが、色々と問題もあります。
その一つは、あまりにもケーブルが多過ぎて、気軽に絵を描ける環境が作りづらいところです。最近は子供が何にでも興味をもってケーブルでもなんでも引っ張りまくるので、あんなに多くのケーブルを繋いだ状態で絵を描いていられないんですよね。今は保育園に預けているとはいえ、行っている間に出して繋いで、迎えに行く時にまた外して閉まってというプロセスを毎回踏まないといけないのは、どうも気が向いた時にサクっと描こうという衝動にブレーキをかけてしまうんです。
もう一つの問題はMacBook側との色味があまりにも違う点です。液晶タブレットで見て選んだ色と、それをMac側で見た時の色の差が激し過ぎてゲンナリします。色を選ぶ度にいちいちMac側の画面で色をチェックするのも大変なので、とりあえずタブレット側で見えているまま理想的な色を選んで、最後にMac側でまとめて調整するという事が多かったのですが、これも結構無駄なプロセスですし、当初の出したかった色味と微妙にズレる恐れもあるので出来れば避けたい作業です。
とにかく、少なくとも今の僕の環境では、決して理想的なタブレットではないのです。そこで少し前に買ったのが、普通のペンタブレット。これはMac側の画面を見ながら、手(ペン)をタブレットの方で動かすタイプで、言ってみればマウスのような感じですね。画面のカーソルの位置を見ながら手を動かす感じです。これは最初は多少の慣れが必要ですが、慣れてしまうと紙に絵を描くのと変わらない感覚で描けるようになります。
そしてこのタブレットのもう一つの利点は、「繋いだとしても」USBケーブル1本だけで済む事です!繋いだとしても、というのはつまり「繋がない手段も選べる」という事!そう、別売りですがワイヤレスキットを買ってMac側のUSBに刺しておけば、タブレットとは直接ケーブルを繋がなくてもワイヤレスで描けちゃうのです!この身軽さこそが僕の求めていた環境です。定期的にケーブルで繋いで充電する必要はありますが、一回の充電で8時間ほどもつので、電池切れを心配する事もなくストレスフリーに描く事に集中できます!
(下のリンクですが、一番左がタブレット単品。一番右はフォトショップエレメンツとPainterエセンシャルズの2つのソフトが付いているのに値段がそんなに違わないので、ソフトが無い方はかなりお買い得です!)
勿論、欲を言えばもっと理想的なデバイスがあります。それはmodbook PRO!液晶ペンタブレットの中身がそのままMacBookなんです。なので何にも繋げる必要がありません。液晶タブレットのようにそのまま画面の上にペンで描けちゃうんです。見ているその画面で全て完結するので色味がズレる心配もありませんし、充電する時以外は何にも縛られず、机の上でもソファーの上でも外にだって気軽に持ち歩けてどこでも絵が描けます!これぞドリームマシン!しかし、、、まだこのニューモデルの価格は発表されていないものの、確実に鬼のように高いのは目に見えています。以前のモデルがそうだったからです。正確な価格は忘れてしまいましたが、確かMacBookと液晶タブレットを別々で買った方が安いんじゃなかったかな...。なので一番のデメリットはその価格です。一度買ったら気軽に1~2年でニューモデルに買い替えられる感じではありません。Macとタブレットが別なら、Macを新しくしてもタブレットは使い続けられますが、2つが一つになってしまっている以上、強制的に両方同時に買い替えないといけないのが厄介です。まあ、状態さえ良ければそこそこの値で売れるとは思いますが。なにより僕は今はお金が全然ないので、そもそも買った後の事を心配する必要すらありませんが、注目の製品の一つではあります。一つ残念なのが、画面サイズが13インチで、更にRetina Display(高解像度ディスプレイ)じゃないって事です。これの中身が15インチのRetina版MacBook Proだったら完璧なんですけどね。ただし、お値段も完璧に夢のまた夢みたいな恐ろしい次元の物になってしまいます(笑)今のところは、いずれ13インチのRetina MacBookが出た時に対応してくれるだろうと踏んでいて、将来的にお金に余裕が出来たら買いたいなってくらいの気持ちです。
さて、無駄に話がそれてしまいましたが、次はソフトです。
【ソフトは何を使って描いているか】
今回は完全に「Corel Painter Essentials 4」です。ペン入れまでPainterを使ってPhotoshopで色を塗る事もありますが、どんなタッチにしたいかによってケースバイケースです。今回はPainterの水彩タッチが合うと思ったので全てPainter上で仕上げました。Painterはとにかくペンやブラシの種類が豊富で、それがまたリアルなタッチを再現してくれているので、描いていて気持ちイイんですよね。色々なソフトを試しましたが、僕の中では絵を描くソフトではこれで決まりです!Painter EssentialsはPainterの廉価版ですが、僕が最近描いてる絵には十分な機能が揃っています。そのうちPainter12とか欲しいですけどね~。高いよね!
(タブレットを買う予定のある方はPainter Essentialsはソフト単品で買うよりも、タブレットとセットで売られている物を買う方が断然お買い得なのでくれぐれもバラバラに買わないように!)
【ラフ画・下書き】
僕は実はあまり下書きはしない派です。アナログの絵でもいきなりペン描きからはじめる事が多いです。最初に引いた線ほどイキイキした線はないと思うので、出来るだけその生きた線を活かしたいという気持ちから、最初からペン描きのスタイルに行き着きました。と言っても当然ミスる事も多く、同じ絵の描き直しを繰り返してやっとベストな絵ができる事も多いです。写真みたいに沢山撮ってあとから好きなのを選ぶみたいな感覚に似ているかもしれませんね。紙に直接描くアナログ絵だとそれなりにプレッシャーになる描き方ではありますが、繰り返すと技も磨かれ、迷いの無い線が引けるようになるので練習としてもオススメな描き方です。
この描き方はデジタルだと相当楽です。PhotoshopだとUndo(取り消し)が一回前までなのでそれなりに慎重になりますが、Painterみたいにかなり前までUndoできちゃうソフトだと、その場で何度も描き直す事が出来てしまいます。なので「とりあえず」的な感じで線を引いてしまう事が増えてしまって、こればかりに頼っていると技術的には衰えてしまうんじゃないかと少し心配でもあります。でも時間的には色々と効率よく描けて、今の僕の状況ではじっくり腰を下ろしてアナログで絵を描く余裕はないので助かっています。「描く」という意味では同じなので、描けないよりは断然いい事ですし、アナログでは出来ない事が色々できるメリットも沢山ありますね。
例えばレイヤー機能とか。これについてはまたのちほど話します。
とにかく普段はあまり描かない下書きですが、今回はステップとして一般的に近い手順を踏んでみました。
今回の下書きは最初から下書きのつもりで描いたので結構テキトーです。ここで上手く描いてしまうと、「あ~、これ本番にすれば良かった~」ってなっちゃうので(笑)色が薄いグレーなのは、薄い方が後から黒でペン入れする時にどこまで描いたかが分かりやすいのと、同じ濃い色がぶつかると何を描いてるか分からなくなってしまうからです。早い話、鉛筆で下書きをして、黒いペンであとからなぞるような感じですね。
【ペン入れ】
所々ペン入れしながら変更したり増やしたりして自由に描いていきます。僕にとって下書きはあくまで大体のイメージなので。これも人それぞれのスタイルがあるはずです。本格的にトレースする場合は下書きの時点でほぼ完成に近い状態に仕上げ、それを綺麗になぞっていくような感じになります。その場合は、僕の上の下書きはどちらか「ラフ画」のポジションに近いと思います。ラフ(殴り書き)→下書き(線をもっと丁寧に仕上げる)→ペン入れ、と間に何回かクッションを挟む事になります。僕はそういうプロセスの多い作業が苦手なので一気に勢いで描いてしまいたいタイプです(笑)
ペン入れ・下書きにはどちらも「スムーズエッジカリグラフィ」というペンを使っています。もっとシャープで綺麗な線が引けるペンもありますが、僕は割とラフに描くのが好きなので、ここ最近はこのちょっと雑にも見えるエッジーなペンを好んで使っています。(iPadアプリ「MagicReader」の説明書などで描いた絵も同じくこのペンです!)
ペン入れをしているうちにスイカを食べている女の子だけだとワンポイント足りない、ここは何か一つ背景に付け足したいと思いました。普通にお城とかでも良かったのですが、僕は絵の中に「意外性」を加える事を好みます。ちょっと面白い「何か」という事で最初に浮かんだのがモアイ像だったので直感のまま描き足しました。これはもう砂で作っている事が前提であって、あまりキッチリしていなくていいと思い、下書きなしでそのままなんとなく描きました。雲も少し増やして、ペン入れ終了です。
【色塗り】
ペン入れが終わったら下書きの絵を隠します。アナログであれば鉛筆を消しゴムで消す事になりますが、デジタルの場合は隠して見えないようにする事が簡単に出来ます。デジタル画ではアナログのように全て一つの紙の上で最初から最後まで仕上げなくても良く、「レイヤー」と言って何層もの透明の紙を重ねるような感覚で新しい層を増やしていく事ができます。下書きを描いてその上に新しいレイヤーを貼ってからペンを入れれば、下のレイヤーはいつでも隠す事が出来るのです。隠すだけではなく、ある部分だけ消したり修正したりも可能なので、例えば人物、背景などを分けておくと、描き直したい時に他にいじりたくないパーツに触れずに手直しが簡単に出来るメリットがあります。今回の絵みたいに背景の「海」を「室内」などに変更したい時は、海の背景だけ隠して、また別のレイヤーとして描き直せばいいだけです。あとからどう変更したくなるか分からないので、多く分けておくと便利な事もありますが、僕の場合はやはりそういう細かい事が苦手なのと出来るだけ勢い良く描きたいので、そんなに多くは分けていません。下書き、人物(ペン)、背景(ペン)、人物(色)、背景(色)、全体の影、と今回は大きく分けて6つです。迷いがある時はここに2~3、もしくはもっとレイヤー増やしていきます。めちゃくちゃ細かく分ける人は顔のパーツを細かく、体のパーツなども細かく分けたりもするみたいですが、増えると増えるほど、どこにどのパーツのレイヤーがあるかなど細かく管理をしないといけない面倒もあり、ホント人それぞれのスタイルで変わる部分だと思いますが、「これが正しい」という正解はないので好きなようにやるのがベストです。
色は今回は「標準丸筆」を使いました。この筆の柔らかいタッチが好きです。ガリガリした荒い線に対して、柔らかみのある優しいタッチで色を塗ってバランスを取ってみました。自分ではなかなか良いコンビネーションではないかと思っています。ペン入れまでは勢いよく描いて、多少荒くても、色塗りで丁重に時間をかけるとだいぶ印象が違います!正直、はみ出した所とか全部は直してなかったり、十分荒い色塗りですが(^^;; 多少、そういう部分はアナログ感を残す為に必要なんじゃないかと言い訳してみます(笑)
【手直し→完成】
流れとしてはざっくりこんな感じです。途中で少し資料を見たり、スケッチブックに試し描きをしてみたりと、ちょっと作業を中断する事もありましたが、そういう事も含めて、描こうと決めてペンを持ってから全部で2時間かかっていません。本来ならばこの後に手直ししたり、ある部分を描き直したりの作業も加わって、プラス1~2時間くらいはかけた方が完成度は増しますが、ちょっと雑なくらいが僕は好きなので、このくらいラフ感が残っている所で抑える事が多いです。どこまでしっかり描き込むかもまたケースバイケースですね。
長かったわりにはあまり実のある話ができませんでしたが、徐々にもっとピンポイントな細かい話が出来ればいいなと思っています。まあ、あまり期待しないでください(^^;;
僕なんかで良ければ質問でも何でもコメント欄を使って聞いてください。絵の事でも絵と関係ない事でも、気軽にどうぞ♪
【フルカラー・フルサイズ画像を1ドルで販売します!】
最後に、今回の絵のフルカラー・フルサイズ画像(1200 x 1000 ピクセル)と、ぬりえ用に白黒部分だけを残して背景を透明にしたPhotoshopデータ&PNG画像をセットでGumroadで販売してみます!$1.00です☆
カラーイラスト(1200 x 1000 px)+ぬりえ用白黒PSDファイル&背景透明PNG
カラーイラスト(1200 x 1000 px)+ぬりえ用白黒PSDファイル&背景透明PNG
背景が透明のバージョンは、そのままPhotoshopなり他のペイントソフトで取り込み、この絵の一つ下の層にレイヤーを加えてそこに色を塗れば、黒い線を上書きする心配なく色が塗れます!プリントすれば普通に子供用のぬりえとしても使えて一石二鳥でしょう♪
安くてでも売らなければアマチュア止まりになってしまうので、プロを目指す者としては売れなくても値段は付けてあげないといけないと思いました。なので多く売れるとも思いませんし、タップリ儲けてやろうという魂胆でもなく、絵描きとしての一つのこだわりだと思って頂ければありがたいです。
しかし!実は何を隠そう、買う必要はまったくないんですね!!
少し圧縮した小さめのサイズで良ければ(840 x 700)上の白黒の画像をダウンロードしてプリントして、ぬりえ用に使えちゃうんです!大きさ的にちょっと物足りなかったら申し訳ありませんが、もし良かったらどうぞ♪
ではでは、最後まで読んでくれてありがとうございます!
次回もお楽しみに~(^-^)/
0 コメント: