開発者を悩ませるAppleの曖昧な審査基準...。

4/20/2012 Leo Rivas(リオ・リーバス) 1 Comments

MagicReader(マジックリーダー)がリリースされ、早くも2週間が過ぎました。
もっともっと良いアプリにする為、日々アップデート作業を行っています。
ただ、一つ大きな壁にぶつかってしまいました...。
実はマイナーアップデートであるver1.1.1は、リリース直後にアップルにサブミット(提出)したのですが、その一週間後に審査に落ちてしまい、それを直して再サブミットしたのですが、またも落とされてしまったのです。

*iOSアプリをApp Storeでリリースするためには、必ずアップルの審査を通らなければいけません。それはアップデートでも同じで、毎度毎度その審査にアプリを提出(サブミット)しなければいけないのです。それはアップルがApp Storeをしっかり管理しているという事でもあるのですが、この審査をする審査員は人間であるため、通すべきでないアプリを見落として通してしまったり、その逆の通っても良い物を通さないなどという理不尽な事も多く起こっています。

今回の原因は一体なんなのか?

それはステータスバーです。
実はこれは最初のリリースの前にも一回問題になり、言われたように改善する事で審査に通ったのですが、今回また、同じ事を指摘し出してきたのです。
まず最初に出したバージョンから順に辿って見ていきましょう。
これが最初に出した時のバージョンのステータスバーです。

ご覧のように、iOSの標準のステータスバーの上に★の画像を乗せたのですが、これがiOSヒューマン・インターフェイス・ガイドラインに反していると言われたのです。
これは言わば開発者向けのガイドブックであり、同時に、審査員がアプリを審査する上で基準ににしているガイドラインでもあります。
具体的にどこを違反しているかというと、10.3の
Apps that do not use system provided items, such as buttons and icons, correctly and as described in the Apple iPhone Human Interface Guidelines and the Apple iPad Human Interface Guidelines may be rejected

という部分です。
日本語にすると、システム内の標準アイテム(ボタンやアイコンなど)を正しく使わないアプリは審査に通らない可能性がある、といった感じです。例えば、「ブックマーク」や「お気に入り」などでよく使われる事の多い「開いた本」のマークのアイコンがありますが、これをまったく別の使い方(メールを送る、写真を撮るなど)に使うとマズイという事です。つまり、標準のステータスバーでそのアプリ特有のアイコンなどを表示させるなどしてユーザーを混乱させてはいけない、というのがアップルの言い分でした。

という事で、標準のステータスバーを使わず、自作のカスタムステータスバーを作る事にしたのです。これがリリースされたバージョンで使われているカスタムステータスバーです。

時間に余裕がなかったため、バッテリー表示などは将来的に対応する方向で、とりあえず時間だけは表示させました。標準のステータスバーとの見分けもつくように、フォントもHelveticaではなくFuturaの細めのものに変えました。これで審査が通ったので、なんとかなったと思っていました。

しかし、リリース後の最初のアップデートで突然また同じ問題を指摘しはじめたのです。説明は、標準のステータスバーの上にカスタムステータスバーを被せてはいけない、との事でした。確かに、リリースされたバージョンでは標準のステータスバーがそのまま裏で表示されたままで、顔認識の機能をオンにした時のみ上にカスタムステータスバーが被さる形になっていました。顔認識をオフにするとカスタムの方が消えて標準ステータスバーが表示される、という感じです。
そこで仕方なく、完全に標準のステータスバーを消し、どんな状況の時でもカスタムステータスバーのみを表示する事にしたのです。起動の時点から標準のステータスバーは消しているので、カスタムの裏には何もありません。言われた通りに直したので、今度こそは通ると思っていましたが、残念ながらまたまったく同じ理由で落とされてしまいました。
当然、今回ばかりは流石に納得ができなかったので反論する事にしました。「表示されているのはカスタムステータスバーだけで、標準のステータスバーは使っていないので、何も被さっていません」と。しかし、返ってきた返事は「標準ステータスバーを表示する事は義務ではないが、その同じ場所にカスタムステータスバーを配置する事は適切ではない」でした。

それなら最初からカスタムステータスバーそのものがダメとはっきり言ってもらえれば、こちらも時間を無駄にせずに済んだのですが、ここまで引っ張っておいてカスタムステータスバーがとにかくダメだというのは理解に苦しみます。そもそも、一番の疑問は、カスタムステータスバーを表示する事は本当にダメなのか?なのです。実際、カスタムステータスバーを使用しているアプリは他にもありますし、標準のステータスバーの上に特殊なアイコンを表示するアプリもあります。何より納得できないのは、Pocket(旧Read It Later)もステータスバーを使ってダウンロード状況を表示している事です。このアプリは「今週のiPadアプリ」としても選ばれ、アップルに大々的に推薦されているのです。もしもステータスバーの上に別のステータスを表示する事がヒューマン・インターフェイス・ガイドラインに反する事なのであれば、アップルは自らその違反アプリを推薦しているという事になります。混乱を招かないためにユーザーインターフェイスの扱いを厳しく管理していると言うのであれば、自らその「悪い例」であるアプリを何百万人ものユーザーにおすすめするという行為は矛盾そのものではないでしょうか?皆が同じ基準で平等に審査されているのであれば、どんなルールも飲み込めます。しかし、それを許されているアプリがあって、しかもアップルがそれを皆にオススメしているというのに、まったく同じ事をしようとして審査に通らないというのは納得のしようがありません。

考えられるのは、実際はカスタムステータスバーを使用する事は禁止ではないが、たまたま今回の審査員が独自の解釈でダメだと判断している。もしくは、本来ダメなのは間違いないが、アップルのApp Storeに関わる全ての人間がこの事に気付かない(もしくは知らない?)ままPocketを推薦してしまった、という事になります。まさかそんな事があるとは到底思えないので、審査員の勝手な判断という事が一番有力です。どちらにしても審査基準が曖昧過ぎるのは確かで、この辺をもう少し具体化しなければ、審査する側の人間も適切な判断ができず、今後も多くのユーザーや開発者の混乱を招く事になるでしょう。
開発者は時間と労力、つまり命を削って作品を作り上げているのですから、審査する側にはアプリを通すかどうか、もっと責任をもって決断してもらいたいと切実に願います。

とりあえず最後にダメもとでこの事に対しての説明を求めました。まだ返事はありませんが、返事次第で今後どうするべきかを検討しようと考えています。
そういうわけで、アップデートをリリース出来るまでもう少し時間がかかってしまうかもしれませんが、全力で頑張るのでもう少しお待ちください!
今後とも応援よろしくお願いしますm(_ _)m

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