115円アプリが激減する日は近い!?
今までiPhoneアプリの多くは115円や230円と非常に安く売られてきました。これは値下げ競争から生まれた結果です。本来、115円で売られているアプリにはそれ以上の価値のモノも沢山ありますが、市場そのものが115円にしなければ売れないような空気になっているため、皆が値段を下げざるを得ない状況にありました。しかし、これは近い将来変わるかもしれません。それは無料アプリのほうが稼げるようになる日が近付いているからです。来年早々アップルはiAdを日本でも開始すると発表しています。今月からはヨーロッパ各地でも始まります。言ってみれば来年には世界各地でiAdが本格的に始まるという事です。
まだiAdが成功するかどうかは明確ではありませんが、もしも成功すれば、アプリが今までのように115円で安売りされる事が少なくなると予想できます。
まず、115円というはデベロッパーがそのまま全て貰えるお金ではなく、そのうちの30%はアップルに引かれてしまうため、実際には115円のアプリを売っても、手元に残るのは80円程度となります。(実際にはそこから更に税金など引かなければなりませんが、とりあえず分かりやすく80円とします)
ではiAdではいくらくらい稼げるのかと言うと、広告を一回クリックしてもらうだけで約$1.20(大体100円)になります。これは既にアップルの取り分が引かれた後の開発者の手元に入るお金です。つまり、無料でダウンロードしてもらい、一回でもクリックをしてもらったほうが、お客さんに115円を負担してもらうよりも多く稼げるわけです。中には広告は絶対クリックしないという人もいるでしょうが、iAdは表示されるだけでも数セント貰える仕組みなので、長く使われさえすれば80円くらいは難しくないでしょう。
有料の場合、一度アプリを115円で売ってしまったら、そのユーザーが何百回使おうが、それ以上のお金は発生しません。アップデート作業を続けてアプリを更に良くしても、普通のアップデートでは追加料金は取れないので、言ってみれば、一杯のコーヒーを買ったお客さんにいつまでも無料でおかわりをサービスするようなものです。ユーザーからすれば最高に嬉しい事ですが、それではお店はやっていけません。
iAdなら、長く使って貰えれば貰うほど、開発者にお金が入り続けるので、開発者としてはそっちの方が良いと考えるようになるはずです。とは言ってもやはり広告そのものが嫌いなユーザーも多いので、そういうユーザーの方達にも広告が無い有料版という選択肢も用意しなくてはならないでしょう。ではそうなった時、有料として売る適切な価格とはいくらくらいなのか?それは勿論アプリにもよるでしょうし、開発者がどうしたいと考えるかによって変わってきますが、少なくとも115円という選択肢は減っていくのではないでしょうか?
勿論、これらは全てiAdが成功する事を前提とした予想です。それにiAdが成功したとしても、今までと変わらず115円で売り続けるメーカーもいるでしょうし、普段の値段が上がったとしても、セールで115円になるアプリも沢山あるでしょう。ただAppStore全体的に見れば、115円アプリが減る事は間違いないと思います。(むしろ既にだいぶ減り始めているようにも見えますが...。)
これは一見ユーザーにとっては嬉しくない事のようにもとれますが、115円アプリが減る代わりに無料アプリは確実に増えます。なので広告があっても気にならない人達にとっては嬉しい事ではないでしょうか。
なんにしても、来年、iAdが本格的に始まる事でアプリの値段に変化が起きてもおかしくないのです。そういう意味でも「iAd」は開発者だけではなく、ユーザーの方達も注目すべきトピックなのではないかと思っています。
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