アプリの無料版を出すタイミング。7つの例!
無料版を出すタイミングは非常に難しいです。
まず無料版を出す目的は(趣味を除くと)大きく分けて3つです。
①有料版を買ってもらう為の宣伝。
②In-App Purchase(アプリ内課金)に繋げる。
③無料版に載せた広告から利益を得る。
*① or ② と ③のコンビネーションもアリ。
①と②の場合、無料版から有料版を買う人や、無料版でアプリ内課金を購入する人は平均的に1%前後と言われているので、有料版(or アプリ内課金)の目標ダウンロード数の最低100倍は必要です。
③の場合、例えばAdMob広告だと、ざっと1万ダウンロードにつき、月5000円〜1万円くらい稼げるような計算だと思います。当然アプリによって大きく異なる事もあるでしょうし、長期的に見れば更に落ちていくでしょうが、あくまで目安として考えてください。どっちにしても無料版が多くダウンロードされなければビジネス的な成功に繋げる事は難しいでしょう。無料アプリの場合、最低でも20〜30万ダウンロードはないと、そのアプリでまともな利益を生むのは厳しいと考えた方が良いかもしれません。
さて、無料アプリで成功する為にはタイミングが命です。だからと言って僕もそのベストなタイミングは未だによく分かっていません。分からないとは言え、今までの例題を並べて検証する事は出来ます。その事から少なからず学ぶ事は出来るでしょう。
今までで、有料版と無料版の両方を出したアプリは全部で7つあります。出したタイミングとその効果は以下の通りです:
①
書きトレLite:有料版2作を出した後、約1ヶ月後にリリース。約8,000ダウンロード。広告無し。有料版のDL数に変化無し。【失敗】
②
E.Quiz Lite:有料版の約半年後にリリース。約3,000ダウンロード。広告アリ。有料版のDL数に変化無し。広告で稼げるほどのDL数もなく【失敗】
③PUZZERO Lite:有料版の約1ヶ月後にリリース。約1,000ダウンロード。広告アリ。有料版のDL数の変化も無く、広告報酬も低かったため、数ヶ月後にストアから外しました。【失敗】
④
COLOR PAIRS:最初に無料版を出し、約一ヶ月後に有料版をリリース。約17,000ダウンロード。広告アリ。後から出した有料版は400ダウンロードくらいしかなく、広告費も低かったので【失敗】
⑤
iQ mirror:これも最初に無料版、一ヶ月後に有料版を出したパターン。32,000ダウンロード。広告アリ。広告ではあまり稼げなかったものの、有料版がAppStoreで取り上げられ、世界で4,000ダウンロード突破。無料の方は広告で総額500ドルくらいしか稼げず、無料版が直接の切っ掛けで有料版が売れたわけでもないので...【微妙】
⑥
Fusion Calculator Lite:有料版から約3ヶ月後のリリース。この時点で有料版は7,000ダウンロードを超えていました。無料版は現時点で76,000ダウンロードを突破していて、有料版も現時点で8,300ダウンロードまで伸びました。広告の報酬はピーク時は一日$30を超えていましたが、今はその半分の$15まで落ちています。ただクリック率は落ちているものの、リクエスト(依頼数)はピーク時からずっと安定しているので、将来的にiAdが始まれば期待できそうです。とりあえずコレは【成功例】
⑦
SUSOKU Lite:有料版から約7ヶ月後のリリース。広告アリ。有料版は約2,100ダウンロードと、スタジオルーペのゲームアプリの中では売れた方に入りますが、無料版のダウンロード数はリリースから約1ヶ月の現段階で912ダウンロード。有料の半分もダウンロードされていません。当然、有料版への影響は無いに等しく、広告報酬もまだ1000円に達していません。【大失敗】
このように、様々な例をあげましたが、無料版に関してはほとんど全てが失敗に終わっています。このデータから何が読み取れるかと言うと、ほとんどのアプリは最初に出した方がわりと好調なのです。例えば最初に無料版を出したCOLOR PAIRSとiQ mirrorはどちらも1万ダウンロードを超えていますが、後から無料版を出したものは1万に達していません。逆に最初に有料版を出したアプリは有料としては(あくまでスタジオルーペとしてはですが)売れている方に入ります。原理は実に単純です。最初に出した方が情報サイトなどで取り上げられる可能性が高いという事です。
例えばCOLOR PAIRSとiQ mirrorは最初に無料版が出たので無料の方を
AppBankさんに取り上げてもらえましたが、後から出した有料版は内容がほとんど同じアプリである為、紹介してもらえませんでした。なので有料を先に出したPUZZEROやSUSOKUはAppBankさんに紹介してもらう事で有料としてはそれなりにダウンロードされましたが、あとから出した無料版は紹介されていない為、逆にまったく駄目でした。早い話、無料であれ有料であれ、影響力のあるメディアに紹介して貰わなければ、存在そのものを知ってもらうのも難しいという事ですね。つまりどちらを取り上げてもらった方が有利かをよく考えた上で無料なり有料を出すタイミングを計るのが一番です。勿論、まったく取り上げてもらえない可能性もありますが、必死に色々なサイトにプレスリリースを送って紹介してもらえる事を祈るしかないでしょう。
もしかしたら無料と有料の両バージョンを同時に出し、どちらも同時に紹介してもらうというのがベストなのかもしれませんが、個人的にそのデータが無い為、なんとも言えません。一度やってみたいとは思うのですが...。
なんにしてもアプリの無料版を出すタイミングは非常に難しく、ほとんどギャンブルみたいなものですね。世の中には成功例も沢山ありますが、失敗例もその数千〜数万倍と沢山あるはずです。そういう夢の無い現実的な話はあまりしたくない人も多いだろうし、聞きたい人もあまりいないでしょうから、成功例ほど表に出てくる事は少ないのかもしれません...。
とは言え僕もそろそろ夢のある話がしたいです(笑)もともと夢のある話がしたくて頑張ってきたので!
失敗の積み重ねから学んだ事を活かし、これからは少しづつ成功率を上げていけるように頑張ろうと思います。失敗例はあくまでも現時点での失敗例であって、将来的に成功例へと逆転する事だってあり得ますから、最後まで諦めません!
「大事なのは、勝つことではなく、絶対に『負けない』ことだ」
(
ヒクソン・グレイシー 無敗の法則 より)
http://www.studioloupe.com/2010/10/7.html?m=0アプリの無料版を出すタイミング。7つの例!
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