飛躍の1年:さよなら工事現場。

7/16/2010 Leo Rivas(リオ・リーバス) 7 Comments

気付けばこのブログを初めてから1年が経っていました!
僕にとって色々と大きな変化があった1年ですが、それと同時に人生の中でも一番辛い1年だったとも言えます。
そんな1年を改めて振り返ってみようと思いました。

まず去年の7月と言えば、スタジオルーペにとって大きな変化が起こった月です。
それはiPhone開発を始めてから最初の半年間、ずっと教育関係のアプリばかり作っていた僕がゲーム開発へと方向転換をする決意をした月なのです。
しかし、それと同時に開発を続ける体力(資金)も底を尽きた月でもありました(笑)

結局すぐには本格的にゲーム開発には取りかかれませんでした。
それまでもバイトをしながら開発をしていましたが、割合的にバイトに出る時間の方が多くなりました。
僕がやっていたバイトというのも、日雇い感覚に近い、工事現場の力仕事で、
スポーツ選手並みに体を使う仕事なので、夏は相当ハードな仕事です。
その代わり時間制ではなく、やりきれば終わって家に帰れるので、頑張り次第で自分の時間を作れるというのが魅力のバイトです。早い時は朝8時に始まって10時台に終わったりするので、余裕で午後の時間が空きます。それで普通にコンビニで10時間くらい働くのと同じくらい稼げるので、辛くても頑張る価値はあります。
ただおいしい話に聞こえるかもしれませんが、生半可な気持ちで出来るほど甘いバイトでもありません。
僕はピーク時は、(体重60キロの体で)1枚12キロほどの石膏ボードを8枚担いで階段で2階まで運べる力と体力がありました。それでも上には上がいる恐ろしい世界ですが...。
強くなるまでには何度も筋肉痛になったり、皮膚が硬くなるまでに何度も肩や手のひらが血まみれになったり、吐くような想いを繰り返しました。

そんなわけで、影でそんな事をやりつつ、ゲーム開発もコツコツやり、大体2ヶ月後くらいに初のゲーム「ONI BASEBALL」をリリースする事ができましたが、まあ普通にたいして売れず、次のプロジェクトへ進みます(笑)
その後、パズルゲームというジャンルに積極的に取り組みます。
アクション系は素人にはハードルが高過ぎる事に気付き、まず動きの少ないパズル的なゲームを極めようと思い、「PUZZERO」、「COLOR PAIRS」、「iQ mirror」、「シンクロ・フィンガーズ」、「SUSOKU」と立て続けにパズルゲームを作り続けました。

この中で売り上げ的にヒットと呼べるものは「iQ mirror」と「SUSOKU」だけです。どちらもiTunesで紹介された所が大きなポイントです。他のどのゲームもこの2つに負けないくらい面白い自信はありますが、どうしても見てもらう(知ってもらう)チャンスが少ないのが今のiPhoneアプリ市場の最大の欠点です。勿論、埋もれるという事は、それだけ多くのアプリがあるという事で、しかもどれを取っても安いというのは、ユーザーからすれば楽園です。
しかし100円、200円のアプリを売って利益を出すという事は、正直、個人レベルですら相当大変な事です。
僕も今年の1月がデベロッパーとしての更新月だったのですが、年会費を払うのですらキツイ状況だった為、かなり悩みました。本当に辞めるかどうか真剣に考えた時期でした。でもあと一年は頑張ろうと決めて良かったです。それからたった半年でスタジオルーペは大きく成長しました。iPadを買いにハワイに行き、更にそれをプレゼントするというのは僕にとって大きな賭けでしたが、それをやらなければ今のスタジオルーペはなかったと思います。あの時は、昼よりも稼げる夜間の工事に出てiPad代と航空券を必死に稼ぎました(笑)そんなに昔じゃないのに、なんだか懐かしいです。

そしてiPadの登場からスタジオルーペに第二の変化が起こりました。ずっとゲームばかり作っていたのに、何故か突然「計算機」を作り出したのです。実は最初に出したiPad版「Fusion Calculator」はそこまで多くは売れませんでした。やはりiPad自体がまだそんなに多くない事も原因の一つでしょうが、毎日の売れる数は今までのiPhoneアプリよりも安定はしていて個人的には満足していました。でもその後に出したiPhone版「フュージョン計算機mini」がiTunesで紹介された事で火がつき、その後Touch Labさんにも紹介されて更に火がつき、一気に5000ダウンロードを突破したのです。

計算の途中経過をメモできる直感的な電卓『フュージョン計算機mini』-今日のアプリ第547回

おかげさまで、ここ3ヶ月は工事現場のバイトをしなくても、アプリだけで生活できるようになりました。それはそれでいつまで続くか分からないので、逆に怖かったりもするのですが、先の事を考えても仕方ないと思うので、今自分に与えられた少しの余裕をバネに、更なる飛躍を目指すまでです!次の1年が本当の勝負ですね。
そんなわけでこれからも必死に頑張ります!
これからも応援よろしくお願いします!
そして、さよなら工事現場!!

7 件のコメント:

  1. 更なる飛躍を期待しています。頑張ってください。

    Podcastは転換期にはなりませんでしたか?w

    また出演してくださいね。

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  3. 勇気をもらった気がします。
    なんかちょっと感動すらおぼえた。。
    僕はプログラミングど素人ですが
    iPhoneアプリ開発を日々しこしこと毎日勉強しております。
    見習わせていただきたく
    これからもちょくちょくおじゃましますね。

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  4. コメントありがとうございます!
    僕も完全ド素人の状況からiPhone開発を始めたので、同じように頑張ってる人に出会うと嬉しくなります!最初は特に大変だと思いますが諦めずに頑張ってくださいね!これからもよろしくお願いします。

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  5. 会社に雇われながら自分もアプリつくってます。
    つくってはリジェクトされ、やっとこさ通っても数字みてモチベーションが下がる日々です。
    自分はプログラマやるまえは工場のライン工やってたので気持ちが少しわかる気がします。
    将来の不安などで肉体的な面以外でも精神的に相当ハードですよね。
    モチベーションの維持とかどうやってるんですか?

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    1. お返事遅くなってしまい申し訳ございません(><)
      作ったアプリが全然ダウンロードされなかったり、レビューで酷い事を書かれたらモチベーション下がりますよね〜(T_T)
      僕の場合はモチベーションは維持させるのではなく、毎回ゼロから作り上げるような感じです。下がったモチベーションを上げるのはなかなか簡単な事ではないので、一度忘れて別の何かを作って違う形でモチベーションを上げる、の繰り返しだと思います(^^;; それが良い事なのかどうかは分かりませんが、開発そのものを辞めずに長年続けてこれたのも、そういう気持ちの切り替えが出来たからなのかもしれません。匿名さんもめげずに頑張って続けられますように!

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    2. コメントありがとうございます。
      参考になります。

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