230円が破る115円の厚い壁

2/04/2010 Leo Rivas(リオ・リーバス) 3 Comments

以前、実験的にONI BASEBALLを一日だけ無料化した事で、色々と新しい発見がありました。(「115円の厚い壁」参照)
そして今回もONI BASEBALLを無料にする事によって、またもや気付かされた事があったのです。

実は今回の無料化はあまり大々的にアピールしたわけではなく、Twitterで一度つぶやいた程度で、それ以外はまったく宣伝していませんでした。どちらかと言うと新作のiQ mirrorの方の宣伝活動を海外サイトでやったりしていて、ONI BASEBALLはもうランキングにも入っていなかったし、テキトーに気付いた人だけダウンロードしてくれればいいや、というくらいの気持ちでした。

ところが結果は想像していたものと大分違っていました。米国でのiQ mirrorの初日のダウンロード数は66。ONI BASEBALLはこの日、米国で1000ダウンロード以上ありました。
アプリの値下げ情報をまとめたサイトは山のようにあるので、値段が変動した事でONI BASEBALLが注目を浴びたという事なのでしょう。
ただ同じように「新着アプリ」を扱うサイトも山のようにあるにも関わらず、同じ無料の新作iQ mirrorは米国ではほとんどダウンロードされていません。
結局これがどういう事かと言うと、今のiPhoneユーザーの多くは完全に「値下げ情報」にアンテナをはっているという事です。新作は評判が良ければいずれ情報が出てくるだろう、くらいの感覚かもしれませんね。
それよりも「お得感」のある情報の方を優先したい。そういう流れが出来てしまったのかもしれません。まあ当然と言えば当然の心理ですね。

この事は前々から気付いていましたが、マーケット全体にとって良い事なのかどうかは微妙な気がします。アプリの価値感を下げている事は間違いないと思います。それに個人的には値段をちょくちょく変えるのも好きではありません。高い値段で買ったユーザーに申し訳ないからです。
しかしマーケット全体が「これをしないと注目してもらえない」雰囲気になっている為、一人で抵抗しても流れには逆らえませんし、生き残る為には自分も同じようにするしかないのかもと感じました。

ただそこには一つ問題が!
値段が115円のアプリは言わば「行き止まり価格」なのです。
ユーザーとしては嬉しいかもしれませんが、115円を値下げするには「無料」にするしかありません。
ただ、無料にしても利益は増やせませんし、もとが有料なので広告も入っていない為、広告費すら稼げない。
つまり115円設定が基準だと、完全に八方ふさがりの状態に陥るわけです。
ではこれが230円だった場合、115円に値下げする事で50%オフという「お得感」を生み出せる。
運が良ければ「値下げ情報サイト」で取り上げてもらえて宣伝にもなる。
ダウンロード数は無料と違い、ちゃんと有料ランキングの順位にも反映されるので、値下げを終了した後もランキングにさえ入っていれば人目にも付き、そのまましばらく売れる事も考えられる。
色々な意味で230円だと可能性の幅がグっと広がります。

そんなわけで115円という価格設定は極力避けるべきと思いました。
リリース直後は「リリース記念価格」的な感じで115円で出してランキングに入る事を優先する作戦はアリだと思います。
でも一度ランキング外に出てしまった後は、いつまでも115円にしていてもあまり意味がないかもしれません。

そしてまさにCOLOR PAIRS PROがそういう状態だったため、早速230円に値上げしました。
でもこれは無理矢理というよりも、単純にカラー・ペアーズは僕自身も本気でハマっているくらい楽しいため、それくらいの価値はあるだろうと思うからです。無料版もあるので、どんなゲームかまず知ってもらう事もできますし、好みであれば230円は決して高い値段ではないはずです。
当然、なにかの記念など理由を付けて値下げをする事もあるでしょうが、そんなに無闇に頻繁に上げたり下げたりするつもりはありません。
値段をいじって儲けるよりも、やっぱり作品の内容で勝負したいので、今後も極力ポリシーは曲げず頑張りたいです。

少しづつですが、このブログを読む人の数も増えてきているようで嬉しいです。
「スタジオルーペ」や「PUZZERO」といった作品名をキーワードに検索して辿り着いてくる人も増えていて、知名度も徐々に上がってきているように感じられます。
何事も続ける事が大事ですね。
アプリの制作も頑張ります!

3 件のコメント:

  1. あ、ちなみにCOLOR PAIRS PROの値上げをしたバージョンの広告は変えはずなのですが、更新に時間がかかっているのかもしれません。

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