アップデート議論
デベロッパー同士の情報の交換の場としてApple Developer Forumというものがあります。開発者のみが集う掲示板みたいなものです。
ここを見ておけばとりあえず最新のSDKの情報やApp Storeで何が起こっているかが大体わかります。
実はここでのトピックを見るまでは気付かなかったのですが、
どうやらAppleはアプリのアップデート版に対する扱いを変更したようです。
今まではアップデート版も「リリース日」のカテゴリーに反映されていたのが、
最近から反映されなくなったらしいのです。
この問題がデベロッパーの中では議論になっています。
まず大きく別けると二つのグループに別れます。賛成派と反対派。
賛成派の意見としては、
(1)リリース日の項目に載るためだけに無闇にアップデートをしまくる開発者もいるため、本来もっと注目されるべき新作が埋もれてしまう。
(2)これによって無闇なアップデートが減り、アップルの審査も早くなるかもしれない。
反対派は、
(1)予算の少ないデベロッパーは宣伝費をかける余裕もなく、ここくらいでしかアプリを知ってもらうチャンスはない。それすら無くなったら完璧に希望がなくなる。
(2)アプリを改良してもそれで更なるお客を引き寄せる事ができなければ、開発者にとってメリットの無いアップデートを繰り返す必要性がなくなり、結果マーケット全体の品質が下がる。
大体こんなところです。
両者の意見はどちらも正しい気がします。確かに新作が大量のアップデート作品で埋もれてしまうのもマズイ。でもアップデートが開発者にとってわずかでもプラスにならなくなると、必要以上のアップデートがなくなるのも事実でしょう。当然、アプリを最大限のクオリティーにするかどうかはデベロッパー次第ですし、恐らく最低限の品質は保たれるでしょうが、今までのように完成されたアプリを更にどんどん積極的にアップデートしていく会社は減るかもしれません。
となると、「リリース日」の他に「最新アップデート」のカテゴリーを増やすなりして工夫するしかないと思いますね。
結局、これだけ早いスピードで拡大してしまったマーケットをどう上手くハンドリングしていいか、アップル自身がコントロールしきれていない、というのが最大の問題でしょう。
このへんをもっとスマートに対処していれば、デベロッパーも不満をもたないと思うんですよね。間違いなく大変なのも分かるんですけど。
ちなみに、この問題と同時に、先週の金曜あたりから昨日までずっと「リリース日」の更新が止まっていたという事態もあり、それもまた多くのデベロッパーを怒らせる要因となったようです。「唯一紹介してもらえるはずのたった1度のリリース日に紹介してもらえず、今後いくらアップデートしても紹介してもらえない」、となると怒る気持ちは分かります。何ヶ月という時間をかけて作っている人達もいるわけですから、こういう問題は本来絶対にあってはならない事ですよね。
これに対して「リリース日で注目されないと売れないようなアプリなら、どっちにしても大して売れない」というキツイ意見もあります。確かにそれもそうなんですけど、やっぱりそれが一つの切っ掛けとしてトップチャートに入る可能性はゼロでもないですし、希望の一つを断たれたという意味では喜ばしい事では決してありません。
不幸中の幸いにも昨日リリースされたPUZZERO(パゼロ)は半日更新が遅れたとはいえ、とりあえず少しの間は「リリース日」の上の方に載っていたようなのでラッキーでした。
ちなみにこの「リリース日」効果ですが、正直ここ最近はあまり効果を感じません。
ジャンルにもよるのかもしれませんが、最初の頃に出していたアプリは確かに初日での売り上げが大きかったのですが、ONI BASEBALLは全世界で5つくらいしか売れませんでしたから、
ユーザーも最近は慎重というか、いきなりは食いつかなくなっているのも現実だと思ってます。
アプリの数もどんどん増える一方ですからね。
果たしてこの激戦区の中でスタジオルーペは生き残る事ができるのか!?
がんばれPUZZERO!!
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